今週の記事1本
こちらでは、カトリック新聞に掲載されている記事を、毎号につき1本お読みいただけます。
|
シノドス第2会期
信者全員と分かち合う
「場」について考える
【バチカン10月15日CNS】
シノドス(世界代表司教会議)の参加者たちが真剣にカトリック教会の信者全員と「シノダリティー」(共に歩むこと)の体験を分かち合いたいと思うのなら、具体的な方法を見いださなければならない、とシノドス総書記を務めているジャン=クロード・オロリッシュ枢機卿(イエズス会)は指摘する。
「この宝をただ私たちだけのためにとどめてしまうと、それは特権に変わるだけで」、全教会のためにはならない、とオロリッシュ枢機卿は10月15日、シノドスの作業文書である「討議要綱」の最後の「第3部―場」についての討議を始める前に参加者たちに語った。
「場」と題されたこの部分は、互いにより耳を傾け合い、より進んで協力し合うシノダリティーの促進について述べていて、「その『場』の視点は、抽象的な普遍主義への傾きに反して、具体的な関係の中での目に見える状況を扱っています。そうした関係には多様性と多元性、相互の結び付きがあり、信仰告白に由来する基礎に根差しているのです」。
オロリッシュ枢機卿はこう続ける。今回のシノドスにとっての課題は、バチカンのシノドスホールにはいない教会の信者たちがシノダリティーを体験できるようにすることであり、それは「私たちが説明するのではなく、私たちの教会の刷新を通して」実現しなくてはならない。
「そのことをより容易にするための手段を示すことが、これから数日間の私たちの働きの目的です」
組織と機構の在り方 どう変えていくのか
シノドスの参加者368人は、10月18日の朝まで、「討議要綱」第3部「場」についての議論を進める。シノドス第2会期の最終週は、会議の内容をまとめる最終文書についての討議と修正、採択に費やされる。最終文書採択の投票は10月26日夕刻に予定され、翌27日に閉会ミサがささげられる予定。
「私たちは絶えず帰属意識を持たなくてはなりませんが」、それは過去そうだったように、例えば小教区のような特定の場にしばられない「関係性を通して得られるものでなくてはいけません」とオロリッシュ枢機卿は強調する。この発言は特に近年のデジタル環境に限定された関係性の構築や維持を念頭に置いている。
「こうしたことは、私たちの福音を告げ知らせる使命の遂行にとって何を意味するのでしょうか」と同枢機卿はシノドスの参加者たちに問いかける。「過去とは違う背景の中で進められる宣教という奉仕の論理の中で、私たちはどのようにして私たちの組織の在り方を再考していけばいいのでしょうか。組織として、機構としてのどの形態を変えていく必要があり、どのようにすればいいのでしょうか」
|
10月15日、パウロ6世ホールでオロリッシュ枢機卿の話を聞くシノドス参加者(CNS)
|
カトリック新聞社
135-8585 東京都江東区潮見2-10-10日本カトリック会館5階
TEL 03-5632-4432 FAX 03-5632-7030
|
|